平成27年10月16日、超党派による日本クルド友好議員連盟が正式に発足しました。
かねてより、イラククルド自治政府の国会議員と交流を重ねていただいていた、平沼赳夫先生、園田博之先生のご尽力により、日本クルド友好議員連盟の発足の運びとなりました。
現在、シリア難民及びイラク国内難民は、クルド自治政府に180万人が避難しており、世界各国は、難民問題解決に尽力しています。日本においては今後、クルド自治政府との政治交流の受け皿は、日本クルド友好議員連盟になります。
日本政府として、安倍首相が先日の国連総会で難民問題解決に人道援助を表明しました。今後、相互の政治交流が進み難民問題解決に議員連盟が日本政府に対する窓口となることを期待します。また、難民問題は、衣食住だけでなく、生活設計が必要となります。つまり、雇用創生です。
避難直後は、避難民にとって重要なのは衣食住に関するものですが、その後は安定した生活を望むものです。これは、日本でも東日本大震災で経験していることです。いつまでもキャンプで生活をすることは耐えられないはずですし、これの解決方法が雇用創生なのです。例えば、ペットボトルの再生工場でもいい。キャンプで出るペットボトルは相当量であり、これをゴミではなく資源として再生すれば、一つのリサイクル事業にもなり得ます。収集回収業務、再生工場、ボトル生産などは日本の得意分野の事業。雇用者数としては少ないかもしれませんが、何か一つを作り上げれば各国も同じように知恵を出すことでしょう。
このように、日本国政府と日本企業がその一役を担うため、今後議連が架け橋となることを期待します。
現在、世界にシリア難民が流出していますが、世界各国はこの問題に取り組まなければ成りません。
民族差別が起こる理由の一つとして、言語の問題が大きな障壁となることが挙げられます。移住した国において、その国の言語を学ぶということは、その国の歴史や文化を知ることにつながります。そして、言葉が通じなければ、また文字が読めなければ、移住した人々とその国の住民は意思の疎通が図れず、子どもたちは学校に通っても勉学が遅れてしまい、不登校や犯罪の原因になってしまいます。加えて、識字率の低下や文化の違いから軋轢を生むことにもなりかねません。こうした言葉の問題が存在するのは日本も同様で、それ解決するために、当協会ではクルド人に向けた日本語教室を行いたいと考えています。
特に日本語を学ぶ必要があるのは、クルド人の母親たち、そして子どもたちだと私たちは考えています。なぜなら、子どもたちが通う学校からの連絡、行事への参加、宿題といった場面において、母親や子どもたちが日本語を理解していなければ学校職員や友達との意思疎通が図れず、教育もおろそかになってしまうでしょう。その結果として、子どもたちの不登校や、日本語を学んでくる子どもと母親のギャップを生み出してしまうのです。
当協会では、そうした問題を解決するための日本語教室を、埼玉県川口市で開催する予定です。現在、埼玉県に居住するクルド人の約98パーセントがトルコ出身であり、教室開催のためにはトルコ語を理解する日本人のボランティアの方々のご協力が必要です。私たちの考えに賛同いただき、ぜひご協力いただけますようお願いいたします。
資格や経験は問いません。学生の方々、退職者の方々なども含め、広くご応募いただけるようお願いいたします。
●ご連絡先:当協会事務局
電話:03-5689-0327/メール:jpn-krd@bloom.ocn.ne.jp
●開催場所:一般社団法人日本クルド文化協会事務所
埼玉県川口市芝新町8-22-501
●開催内容
<母親学級>
対象:子供を学校に通わせているクルド人のお母さんたち
開催曜日・時間帯:月曜日から金曜の10:00~14:00
<青年学級>
対象:授業についていけず、不登校になってしまった方々(就業者が中心)
開催曜日・時間帯:月曜から金曜の19:00~21:00
<子供学級>
対象:主に小学生を中心に宿題等を教えます
開催曜日・時間帯:土曜日の10:00~14:00
○ボランティアの方々が集まり次第、カリキュラムを作成します。
○教本は当協会が用意いたします。
○漢字検定なども行ないます。
平成27年3月、イラク・シリアにおけるISISの侵攻が世界に大きな影響を与えている中、イラク国会議員・クルド自治政府議員を中心とする閣僚団が日本を訪問し、イラク情勢およびクルド自治政府の対応に関する報告会を開催しました。
当協会の名誉会長である平沼赳夫衆議院議員が呼びかけ人代表となったこの報告会では、イラク・クルド自治政府におけるISISの侵攻状況のほか、クルド自治政府によるISISへの抵抗活動の内容が報告されました。報告会の後には、外国人記者クラブでの記者会見も行われました。
また、今回の訪問期間中、閣僚団は経済産業省への訪問のほか、菅義偉内閣官房長官との会談や、片山さつき参議院議員との会談を果たし、クルド自治政府の取り組みへの理解と協力を要請しました。
日本国も中東地域に大きな支援を行い、イラクにも多大なる投資をしています。しかし、日本人はイラク情勢を詳しく知ることはなく、特にイラク北部にあるクルド自治政府については、ISISの侵攻で最近注目されてきたとはいえ、理解度・認知度はまだまだ低い状況にあります。イラクは、シーア派、スンニ派、クルド自治政府の共和政治を行っていますが、イラク国内におけるクルド自治政府の影響力は大きなものがあります。特に石油資源が豊富であることから、それを原因として内政に大きな問題を掲げているのも事実です。今回のクルド自治政府要人による情勢報告により、イラク及びクルド自治政府に対する理解が深まることを願います。
報告会開催日時:平成27年3月2日13:00~14:00
開催場所:第二衆議院会館地下1階第一会議室
呼びかけ人代表:衆議院議員平沼赳夫(当協会名誉会長)
講演者:
イラク国会議員 Serwan Sereni氏
クルド自治政府国会議員 Omed Khoshnaw氏
クルド自治政府首相顧問 Sirwan Zahawy氏
クルド日本友好協会代表 Noori Rashid Ali氏
2014年12月、NHK衛星放送でクルド関連情報を紹介する番組が放映されました。
https://www.youtube.com/watch?v=0psQuN7_3co
『クルド人とイスラム国の脅威』